本日の会議は「キリスト教式」を行うためのものでございます。
「キリスト教式」といえば、バージンロードにウェディングドレス、それに聖歌隊の美しい歌声。さぞかし厳かな挙式が実現するであろうぞ!
幼い頃から教会での挙式に憧れていたのですが、様々な疑問があるんです。
どのようなことですかな?
バージンロードは白と思っていたのですが、赤や緑の教会もあるのですか?また、神父様を牧師先生と呼んだりするのは何故ですか?
それは「カトリック」と「プロテスタント」による違いでございますな。「カトリック」とはローマで発祥したローマンカトリックを指し、2000年の歴史を持っている旧教でございます。
一方、プロテスタント」は16世紀の宗教革命で「カトリック」より分離し新教として信仰されております。 一般的には「カトリック」のほうが戒律が厳しく、再婚は特別な例外でなくては認められておりません。現在、和の国のホテル・式場で行われるキリスト教式には、後者の「プロテスタント」がほとんどでございます。
両者の主な違いは以下のようになっております。
カトリックの結婚式とプロテスタントの結婚式
|
カトリック |
プロテスタント |
祈りの場所 |
聖堂(みどう) |
礼拝堂 |
司祭の呼び名 |
神父様 |
牧師先生 |
バージンロードの色 |
赤または緑 |
白
|
結婚講座 |
必ず受ける |
教会による |
再婚者の結婚 |
死別以外は不可 |
理由によって可 |
キリスト教の信者でなくても結婚式を挙げることができますか?
はい、信者でなくとも
「結婚講座」を受けることで挙式が認められます。
また徹夜で勉強か!まさか結婚するのに試験を受けるとはな。落第したら派手な披露宴は行わず、ひっそり入籍だけですませるか・・・。
王様、結婚講座は予備校の講習ではございません。牧師先生から結婚にあたっての心構えを拝聴するものでございます。試験も落第もございません。
なんじゃ、それなら安心じゃ。話しを聞いているだけで良いのじゃな?さぞかし神聖な気持ちも高まるであろうぞ!
いろいろなチャペルがあって迷ってしまいますね。
はい、ここ数年はブームとなっておりまして、リゾート地、ビルの最上階、テーマパーク内など様々な場所にチャペルが建設されております。
人気のチェックポイントをまとめましたので、こちらをご覧くださいませ。
チャペルのチェックポイント
□建物は「独立型」か「館内型」か?
独立型の方が天井が高くてバージンロードも長いケースが多い。
□天井の高さ
天井が高い方が厳かな気分も高まります。
□バージンロードの長さ
距離が短いと、すぐに入退場が済んでしまいます。
□ステンドグラス、椅子の色合いなど内装は?
□パイプオルガンの音響は?
エレクトーンにパイプを付けた簡易タイプを設置のところは多い。
□椅子の数
披露宴に出席しない友人も招待できるので、席は多い方が良い。
□フラワーシャワー、ライスシャワーは可能か?
チャペル式のもっとも華やかなシーンだが。意外にも屋内型では、後処理が大変、貸衣裳が汚れるなどの理由で実現しないところも多い。
□正面やバージンロードの装花は豪華か?
お花がないと寂しい雰囲気になる。
□高いアングルから撮影できる場所があるか?または備え付けビデオなどは?
□教会内で撮影可能か?
指定業者以外に写真・ビデオ撮影を禁じているところも。
□バージンロードを照らす「キャンドルライト」、コーラス演奏などロマンチックな演出はあるか?
□屋外で挙式・パーティをする場合の雨天時の対応は?
特にジューンブライドの方はご用心。
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当日は緊張して、ヘマをやらかさんか心配じゃ・・・。
挙式の前には「リハーサル」が行われますので、ご安心ください。最後に失敗のチェックポイントをまとめました。
キリスト教式のチェック&アドバイス
- 新婦が父とバージンロードを入場して、新郎に引き継がれる場面。新婦父の動作は優しくが基本。緊張のあまり「もってけ泥棒!」といわんばかりに新婦を突き放すお父さん、時々います。
- 牧師先生の説教を聞いている時、ちょっとした気のゆるみから新郎さんは「がに股」「猫背」に注意。燕尾服のがに股姿を後ろからみると「ペンギン」みたいに見え、みんな吹き出しそうになります。
- 新郎が新婦のベールをあげる時あせらずゆっくりと。また中途半端にならないように、上げたベールを肩の所でしっかり整えてあげること。
- 誓いのキスシーンで。出席者の面前で恥ずかしさのあまり、目にもとまらぬ早業でキスをすませてしまう新郎さんも・・・。見ている人が滑稽に感じないよう「さわやかにゆっくり」が基本です。
- バージンロードの退場で。挙式を終えた充実感か、そそくさと足早にバージンロードを去るカップルが時々います。こちらもふたりの歩調をゆっくりと合わせて、両脇の列席者に幸せの笑顔をお裾分けしましょう。
当日の進行はどうじゃ?
はっ!キリスト教式の式辞についてご説明させていただきます。
キリスト教式の進行例(プロテスタント)
1.入場
新郎は媒酌人と(または一人で)入場する。そのあと新婦と新婦父が腕を組んで
バージンロードから入場する。そして、聖壇の前で新郎に受け継がれる。バージンロードは、まず右足を前に出し左足を揃える。次ぎに左足を前に出し、右足を揃えるというのを、伴奏にあわせて繰り返す。
「右~左、左~右、右~左、左~右、右~左、左」のように続ける。
2.賛美歌 斉唱 312番
全員が起立して賛美歌を斉唱。
3.聖書朗読
牧師先生が聖書にある愛についての一節を朗読。
4.祈祷(きとう)
結婚するふたりに神の祝福が得られるよう、牧師先生がお祈りする。
5.式辞
夫婦となるふたりへの、牧師先生からお話を拝聴する。
6.誓約
牧師先生が新郎・新婦の結婚の意思を確認。
7.指輪交換
新郎~新婦、新婦~新郎へ指輪を交換し、ふたりの誓約の証とする。
8.祈祷
新郎新婦が手を合わせ、その上に牧師先生が手を重ねて神の恵を祈る。
9.宣言
ふたりが正式に夫婦になったことを宣言する。
10.賛美歌430番
全員が賛美歌を合唱する。
11.祝祷
牧師が神に祈りを捧げ、一同黙祷する。
12.退場
新郎新婦がバージンロードを退場。参列者は拍手で見送った後で退場する。その後、参列者はふたりより先に建物の外に出てフラワーシャワー、ライスシャワーなどで祝福。
バージンロードを花カゴを持った女の子や、宝石箱を持った男の子がバージンロードで先導するシーンをいつか映画で見たことがあるのですが、あれは何かの演出でしょうか?
それは、
「ブライダルパーティ」でございます。
挙式でもパーティをやるのか?
いいえ、パーティはパーティでも「一行」という意味でございます。
登山などでよく使われております。
なんじゃ?その「ブライダルパーティ」というのは?
西洋の伝統的な挙式スタイルで、新郎・新婦の友人、親戚のお子さまなどから構成されます。カゴを片手に花をまく「フラワーガール」(女の子)、ふたりの結婚指輪を運ぶ「リングベアラー」(男の子)、新郎を介添えする「アッシャー」(新郎の未婚の兄弟、または友人)、新婦を介添えする「ブライズメイド」(新婦の未婚の姉妹または友人)などが、お揃いの衣裳で挙式に華を添えます。
ステキですね、大きなチャペルだときっと映えるわよ・・・。
更にワシの場合は両手両足に美女を侍らせたハーレムとラクダの一行もつけようぞ!
その時は、新婦入場はないと思ってね。
桜、ワシが悪かった。怒らんでおくれ・・・。
ところで、チャペルで身につけるドレスというのは、披露宴のときのドレスとは違うのですね。
はい、ベールに手袋、そしてロングトレーンが基本でございます。襟に空きが少ないデザインで長袖、肌を極力見せないものが厳粛な挙式にふさわしいでしょう。肩のあいたドレス、ミニスカートは厳禁でございます。
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