本日はおふたりにテーブルマナーを学んでいただくための会議でございます。
当日は新郎新婦も食事ができるのか?
はい、もちろんでございます。最近では高砂席を設けず、ゲストと同じ席を設けることが多くなりましたので、新郎新婦も随分とお料理をいただきやすくなりました。
それで、テーブルマナーが必要になったというわけじゃ?
これからお話を聞いて、間に合いますか?
「ナイフとフォークは外側に置いてあるものから使う」とか、「食事中に音を立ててはいけない」などということは知っているのですが・・・。
堅苦しく考える必要はございません。披露宴はシャンパンでの乾杯から始まりますが、そこではグラスとグラスを実際に合わせて乾杯する必要はありません。
新郎新婦はグラスを自分の目線まで掲げて、ゲストの皆様に向かって微笑んでください。
- ワイングラス:テーブルの上にグラスを置いて受ける。ワインが注がれたら、温度が下がらないようにグラスの足の部分を持って、色・香・味を楽しむ。
- ビール:タンブラーで受ける場合は、グラスを手に持って受けても良い。相手の方へややグラスを傾けると量を調節しやすい。
- 日本酒:右手におちょこを持って、その下に軽く左手を添える。
テーブルの上のグラスは次の4つが置かれています。ゴブレット、赤ワイン用グラス、白ワイン用グラス、シャンパン用。一番大きなのがお水用の「ゴブレット」です。
フォーマルな食事と言えば、テーブルナプキンにも特別なルールがあるのですか?
テーブルナプキンは、基本的に手と口だけを拭くために使うものです。こぼれたソース、グラス・箸の汚れをふき取るものではありません。広げると2つ折りにして折り目を手前に向けて膝の上に置きます。
席をあける際に椅子の上に置くと中座の合図になります。また、退席の時は丁寧にたたまずに、テーブルの上に置くのがマナーです。
何故、ナプキンをたたんではならんのじゃ?
このひどい店には二度と来ないというサインになります。
しかし、結婚式で2度と来たくないのじゃが・・・。
王様!そこは、あまり深く考えられずテーブルマナーどおりにされた方が無難です。さて、次はいよいよ料理のマナー。まずは洋食からです。
ナイフ・フォークを使って美しく見えるコツを教えてください。
はい、できるだけ背筋を伸ばして脇を締め、肘を張りすぎないようにすると美しく見えます。またテーブルに肘をついてはいけません。王様に特にご注意いただきたいのが、スプーンの使い方です。
普段どおりではマズイのか?やっぱり・・・。
はい、スープを飲むときに「ふーふー」吹くのはおやめください。それから、スプーンは手前から向こう側へすくい、口元に当てて傾けるようにして食べてください。口の中へスプーンを入れ過ぎないようにご注意ください。
スープはともかく、難しいのはナイフ・フォークを使ってのライスじゃ。
いつもどおりフォークの腹ですくうようにしていただいて結構です。フォークを持つ手は、右・左のどちらでも構いません。
あまり知られていないのが、フィンガーボールです。小さなボウルに水が入ったものですが、間違えて飲まないように。食事の最中に指を洗うためのものです。
お肉やお魚を食べる時の注意点はありますか?
お肉や魚などナイフで食べ物を食べる時には、一口サイズに小さく切ってください。
パンをいただく時も同様に手で小さくちぎってください。
口に物を入れたままゲストと話す事はもちろんマナー違反、ナイフ・フォークも置いて対応してください。
食事の途中で手を休められる時は、ナイフとフォークを「ハの字」にしてお皿の上に置いてください。その時のナイフの刃は自分の方を向くように、フォークは下向きに置いて下さい。
もしも、ナイフとフォークを床に落としたときはどうしたら良いのじゃ?
その時は、慌てず騒がずです。介添えさんか会場スタッフを呼んで拾ってもらいましょう。自分で拾う必要はありません。
もし、こちらに気づいてくれない時はどうするのじゃ?
普通は目線を合わせるだけで「何かご用ですか?」と聞いてこられますが、それで気づいてもらえなければ軽く手を上げてみてください。間違っても大声を出したりしてはなりませんぞ!
さて、いよいよ次は和食です。
和食はワシも大好きなのでマナーも心得ておるぞ。
いつもの食べ方を改めていただかねばなりません。まず、箸の使い方です。割り箸は袋から出したら静かに上下に開いてください。横に開いたり、開いたあとゴシゴシをこするのは絶対におやめください。箸には次のようなタブーがあります。
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箸を使うときのタブー集
- 箸をなめる
- どこから食べるか迷って箸をあちこちさせる。
- 器の上に箸を置いて橋をつくる。
- 器の中をかき回して、中を探るようにする。
- ご飯に箸を立てる。
- 箸を使って器を引き寄せる。〜
※必ず両手で取り上げて器を移動してください。
- 箸で料理を刺して食べる。
- 箸を爪楊枝の代わりに使う。
- 箸のさきから、料理のしずくをポトポト落とす。
※汁気の多い物は懐紙を添えて口に運んでください。
- 箸から箸へ食べ物を渡す。〜
これはお葬式の時のお骨を拾う儀式です。慶事ではタブーです。
- 箸を使って口の中に料理を押し込む。
料理の手を休める時、箸はどこに置いたらいいのでしょう?
箸置きの上に置いて下さい。先ほどのお話でもありましたが器の上に置くのはタブーです。
洋食ではナイフとフォークで料理を食べ終えたサインを出しますが、和食にもこのようなサインはありますか?
はい、器を膳の外、右上の方へ出してください。それが「下げてください」という合図になります。この時の注意点は器を重ねないことです。
そのほか目立つところでは器の持ち方ですね。
和食の器は、いつも両手で持ちます。食べるときも片手に箸を持ったまま一度両手で持ち上げ、その後片手に持ち変えていただいてください。
実際に料理を食べる時に気をつけることは、洋食と同じで少しづつ口に運ぶということです。口でかじったものを皿に置くのは見苦しい行為とされており、大きなものは口に運ぶ前に必ず小さく切ってください。
しかし、魚を食べていて骨があったらどうするのじゃ?
その時は皿に戻さねばならんぞ。
その場合は、懐紙で骨を受けるか、片手で口元を隠すようにして箸で骨を皿に戻します。
本当にちょっとした知識を頭に入れておくだけで、ゲストの皆様と食事が出来そうですね。
はい、食事は楽しんでいただくのが一番です。当日は、ぜひゲストの皆さんと楽しんでください。ご新婦様は披露宴で食事をされない方も多いですから、朝のお食事は必ずしっかりとってください。
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